研究分野:デザイン工学

道具と手の関係に着目したデザイン支援インタフェース

  • 研究者: 山本 景子
  • 論文種別・提出年: 博士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2010.

道具と手の関係に着目したデザイン支援インタフェース
  人間が道具を手にして何かの作業を行うときには,手で握る(把持)という行為を必ず伴う.そしてこの把持動作は作業の過程で様々に変化する.作業者である人間自体は,それらの変化が生じているということすら意識にのぼらない場合が多い.把持は,手と道具が関わる際に自然になされる動作であるにも関わらず,これをコンピュータへの入力として用いるユーザ支援インタフェースの研究は行われてこなかった.そこで本論文では,道具と人の接点である「手」に着目し,その手と道具をつなぐものである「把持」に焦点を当てる.把持を中心としたマンマシンインタラクション環境を構築することで,道具の機能である真の「支援」とは何かについて考察する.意図した作業が正確にかつ効率的に行えるよう,握り方を変えたり,道具の位置や姿勢を変えたり,道具にかける圧力を変えるなど,把持の仕方を様々に変化させることは,経験的にかつ無意識に行っている行為である.そのため,デバイス自身がどのように把持されているかをセンシングしそこから情報を取得することで,把持動作からユーザの意図を読み取ることが可能であると考えられる.デザイン活動においては,ユーザのもつイメージを素早く表現にまで移行させることが重要である.そこで,人が道具を用いるときに必然的にかつ自然に行う「把持」動作を入力モーダルとして利用することで,ユーザの意識をコンピュータへの入力操作ではなく作業対象自体に向けさせることが可能となり,コンピュータによる円滑なデザイン支援が実現される.本論文では,このように把持動作のセンシングを可能とする入力インタフェースを設計・試作することで,ユーザのデザイン活動における自然な把持状態の計測および解析を行い,デザイン支援システムへの応用可能性を探るため,2D ドローイング支援システム,3D 造形支援システム,動画検索支援システムを構築し,ユーザの思考を阻害しないマンマシンインタラクションを実現する.これらのシステムを通し,道具と人をつなぐ「把持」を中心としたデザイン支援システムにおける,よりよいインタフェースのあり方の包括的な知見を得る.
  

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ドローイング入力を利用したモーションデザイン- Computer Aided Motion Design System -

  • 研究者: 甲田 春樹
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2009.

ドローイング入力を利用したモーションデザイン- Computer Aided Motion Design System -
  近年の計算機性能の向上やメディア形態の急激な多様化に伴い,創作活動の在り方が大きく変容しつつある.グラフィックデザインのみでなく動画コンテンツもまた,個人レベルでの創作・発信が可能となり,今後,専門知識を持たない一般ユーザでも容易に動画コンテンツやアニメーションの創作が可能な環境への需要が高まると考えられる.しかし,従来の開発環境のGUI(Graphical User Interface) は複雑で階層化されており,これらのGUI は操作方法の特殊性故に学習コストや効率性の観点において問題であると言える.また,アニメーション作成ソフトウェアの多くでは補間法によるモーションデザインが採られており,加速度的な変化を伴うモーションを扱う場合,ユーザが意図する速度変化を設計するには多くの煩雑な調整作業が要求され,最適な作業環境であるとは言えない. 本研究に於いてはまず,スケッチやデッサンなどの創作活動において,デザイナがペン速度を巧みに調整して描画線の形状を変化させている事に着目し,モーションデザインの入力法としてドローイング入力の適性を調べる実験を行った.実験から得られた結果および知見に基づいて,ドローイング動作の身体性を利用した速度入力を可能とするインタフェースを提案した. 提案したインタフェースを実装しアプリケーションにおいては,ドローイングの描画領域である座標平面を張る軸に対して並進や回転などのモーションの制御変数が割り当てられており,ユーザはペンタブレットを用いてドローイングを行うことによりモーションを作成し,あたかもスケッチするようにモーションデザインが可能である.提案したインタフェースの有用性を調べるため,実装したシステムを用いた被験者実験及び観察実験を行った結果,被験者はドローイングの身体性を利用して直感的に作業を行っていた事,また,ドローイング入力に対してリアルタイムにモーションが出力されることから効率性にも優れていることが示された.また,本システムを用いて作成されたモーションの印象評価実験を行った結果,震えや揺らぎの含まれる擬人的な表現を行いたいモーションの作成に最適である事が示された.
  

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印象語によるマチエール創作支援システム- The Computer-Aided Matiere Design -

  • 研究者: 関谷 祐輔
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2009.

印象語によるマチエール創作支援システム- The Computer-Aided Matiere Design -
  美術絵画は油絵や水彩画など様々なものがあるが,対象や構図によっては,色彩要素だけではなく,キャンバス表面の質感,すなわちマチエールにも創作意図を込めて描画されている.マチエールを自由に作成することが出来ればアーティストの表現の幅が広がり,アーティストにとって非常に有益である.しかしながら,マチエールの作成は困難で習熟するには敷居が高い.そこで,本研究では,アーティストが所望のマチエールを作成するために,人がマチエールに対して受ける印象とマチエールの持つ画像的な特徴量とを対応付けることによって,印象パラメータを入力とした直感的なマチエール創作支援システムの提案を行う.
  

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GEONに基づく複合現実感造形デザインシステム -An MR Shape Builder-

  • 研究者: 富樫 淳
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2009.

GEONに基づく複合現実感造形デザインシステム -An MR Shape Builder-
  コンピュータ技術の発展に伴い,デザインの行程においてもデジタル化が進んでいる.そして,3DCAD や3DCGソフトウェアを用いることで,高品質の3DCG が仮想空間内にデザインできるようになった.しかし,ユーザが扱うインタフェースは昔から進歩がみられず,3DCG を満足に作成できる環境が整っているとはいえない.例えば,操作環境は2 次元の画面上で行わなければならなく,立体的な物体を操作するのに適した環境であるとはいえない.また,3DCG の表示には,従来から平面ディスプレイを用いられているが,平面ディスプレイは3DCGを三次元から二次元に落として表示しているため,物体の立体感や臨場感が失われているといえる.本論文では,実世界指向インタフェースを用いた新しい造形デザインシステムを提案する.インタフェースは立方体の形をした手のひらサイズのブロックを数個用いる.まず,geon と呼ばれるプリミティブ形状を立方体の形に沿って定義し,その形状をブロック一つ一つで指定できるようにした.指定した形状は,その3DCG をブロックにリアルタイムに重畳させることで表示する.ブロックと複合現実感を利用して立体感や臨場感をユーザに与えることで,直観的な操作を可能とするシステムを作成した.
  

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テキスタイルデザインの創作支援システム - The art of MOJA patterns -

  • 研究者: 坂本 武士
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2008.

テキスタイルデザインの創作支援システム - The art of MOJA patterns -
  フラクタルは審美的な魅力をもっていると言われており,フラクタル構造をもつ模様(フラクタルパタン)がテキスタイルデザインの分野において利用されつつある.しかし,フラクタル構造を生成するアルゴリズムであるL-Systemはテキスタイルデザインを対象としたものではなく,L-Systemでは意図したフラクタルパタンを得ることが困難であった.フラクタルパタンを用いたテキスタイルデザインを実現するためには,意図したフラクタルパタンを容易にデザインできる必要がある.そこで本研究では,フラクタルパタンを用いたテキスタイルデザインの実現を目指し,審美的なフラクタルパタンを自在にデザイン可能なフラクタルパタンデザインシステムの構築を行う.この目的のため本論文では,拡張Parametric L-Systemによる審美的なフラクタルパタン生成手法,フラクタルパタンの印象解析手法,拡張Parametric L-SystemとInteractive GAを組み合わせたフラクタルパタンデザインシステムの3点を提案する.これらの提案により,審美的なフラクタルパタンがデザイン可能であることを示す.
  

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ハンドドローイングのコンピュータ支援に関する研究

  • 研究者: 宋 寛勝
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2008.

ハンドドローイングのコンピュータ支援に関する研究
  近年,工業デザインや建築,そして漫画などの分野では,コンピュータの利用が盛んになっている.しかしながら,工業デザイナ,建築家,漫画家は作りたいもののイメージをまずハンドドローイングによる手描きラフスケッチによって表現する.本論文では,創作活動の初期のステップで行うハンドドローイングに対するコンピュータ支援システムを二つ提案する.一つ目は,ハンドドローイングを行う全ての人をターゲットユーザとする「hyperdraw: 推定ガイドラインのリアルタイム提示によるハンドドローイング支援システム」である.二つ目は,手描きパース制作を行う建築家や漫画家等をターゲットユーザとする「Hyperspective: パース制作中の消失点移動と補助線提示による手描きパース制作支援システム」である.両者の評価のために被験者実験を行った.hyperdrawに関しては,推定ガイドラインの提示がイメージ通りの線を描くことを支援していたかどうかを検証した.Hyperspectiveに関しては,「パースの補助線の提示機能」と「描画中に消失点を移動できる機能」の有効性を検証した.被験者実験の結果,提案システムのハンドドローイングに対する支援が有効であることを確認した.
  

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デザイン言語に基づいた3次元形状モデルの検索のための形状表現法

  • 研究者: 江田 幸弘
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2007.

デザイン言語に基づいた3次元形状モデルの検索のための形状表現法
  近年のコンピュータ技術の発達によって,テキスト,画像はもとより,3次元形状データもまた膨大な量がコンピュータに保存されるようになってきた.このように大量に蓄積されたデータから目的のデータを検索する技術は必要不可欠になると考えられる.しかし,従来の手法では,Web上の莫大な3次元モデルを大まかなカテゴリに分類するための検索がほとんどであり,3次元形状のデザイン印象や感性はほとんど考慮されておらず,造形美術や工業デザインの検索は不向きであった.そこで,本研究では,実物体から生成した3次元形状モデルを使用し,かつ人が3次元形状に対して受けるデザイン印象や感性を考慮した3次元形状表現法を提案する.具体的には,人が3次元形状に対して受ける印象と3次元形状モデルの特徴量を対応付けることによって,印象パラメータをクエリとした直観的な3次元形状モデルの検索システムの提案を行う.
  

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コンピュータグラフィックスによる質感表現可能な絵画制作支援システム

  • 研究者: 関谷 祐輔
  • 論文種別・提出年: 卒業論文, 大阪大学基礎工学部, Mar. 2007.

コンピュータグラフィックスによる質感表現可能な絵画制作支援システム
  美術絵画は一般的に,色彩要素だけではなく,キャンバス表面の質感,すなわち凹凸などの3次元形状を含んで描かれている.本研究では色彩要素に合わせて,任意の距離画像を用い,3次元CGによって表面の3次元形状をもつ立体キャンバスを生成することを目的とする.また,元来絵画作成において,オリジナルの質感を作成することは難しいとされている.そこで本研究では,距離画像のデプス情報を混合することにより,オリジナルの質感作成を支援するシステムを提案する.
  

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意匠デザインのためのフラクタルパタンの合成と解析

  • 研究者: 坂本 武士
  • 論文種別・提出年: 卒業論文, 大阪大学基礎工学部, Mar. 2006.

意匠デザインのためのフラクタルパタンの合成と解析
  テキスタイルデザインにおいて, 意匠パタンは製品(作品)の印象や価値を決める重要な要素である. 意匠パタンの審美的解析と合成は興味深い. 本研究は図形の印象が生まれるメカニズムを解明することを目的とする. 具体的には, フラクタル2次元パタンを L-System を用いて生成し, その図形のもつ印象を解析する. 解析手法として, フラクタル収束度と, 構造組成分析を提案し, これらの解析手法が人間の印象をよく区別可能であることを実験的に示す.
  

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立体曲率対数分布を用いた意匠形状の感性的解析と合成

  • 研究者: 中野 雄矢
  • 論文種別・提出年: 修士論文, 大阪大学大学院基礎工学研究科, Mar. 2005.

立体曲率対数分布を用いた意匠形状の感性的解析と合成
  近年製造業界において、機能や品質、コスト等において各メーカの製品間の格差がなくなりなりつつある。そこで家庭電化製品や自動車などの業界では、消費者の商品に対する評価の重要な因子として、意匠形状デザインが注目されている。しかし従来の意匠形状デザインで用いられるCAD(Computer Aided Design)システムはデザイナにとって扱いづらいものである。そこで本研究では、デザイナが直観的に操作できる意匠形状創成支援システム構築のための要素技術として、曲率単調な形状の感性的な解析および合成を行う。まず、曲率単調な形状を感性的に評価するモデル「K-vector」を提案し、K-vectorを用いて、デザイン印象の違いによる形状の分類を行う。また形状の持つ印象と曲率分布の関係について述べ、曲率分布を制御することにより、異なるデザイン印象を持つ形状を合成する手法を提案する。そして合成した形状が、人間の感性と一致していることを検証するため、被験者実験により評価を行う。
  

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デザイン感性に基づいた3次元形状モデルの検索手法

  • 研究者: 江田 幸弘
  • 論文種別・提出年: 卒業論文, 大阪大学基礎工学部, Mar. 2005.

デザイン感性に基づいた3次元形状モデルの検索手法
  次元形状モデルの検索技術は,従来幾何学的,位相幾何学的特徴のみに着目したものがほとんどで,造形美術品,工業デザイン分野の検索には不向きであった.本研究では,立体物の持つ感性的特徴を抽出し,感性的な 3 次元形状検索技術の基礎的検討を行う.具体的には,曲面の持つ感性的特徴量を定義し,これが人間のデザイン感性によく一致することを示し,ついで,本提案の感性的特徴量に基づいた立体造形物の感性的距離を提案する.
  

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